親子共依存
親子共依存について
「あなたのためなの!」は決してあなたのためではありません。愛情という名前を持った支配は子供を傷つける元になります。子供を支配しているのか、愛情と支配をはき違えていないかを今一度考えてみる必要があるでしょう。
親の価値観の押し付けは支配である
生きていく中で正しい道を歩んでほしいというのは、どの親も考えることです。しかし、あなたのためだからというその一言は本当に、子供のための一言なのでしょうか。最初は子供も素直に聞き入れるかもしれませんが、だんだん、あなたのためなの!の一言は、自分のための一言ではないことに気づいていきます。言葉で子供を支配しようとしてはいないでしょうか。何か行動を起こすときには、子供が主体となって行動を起こすことが望ましいと言われていますが、自分の理想の子供を作り上げるために、子供を支配しているようなところはないでしょうか。支配は愛情ではありません。時には子供のやることをそっと見守ることも必要になってきます。
愛情はお互いに心地よさを感じるもの
愛情というのは、与える側と受け取る側が双方で成り立っていることが重要です。受け取る側がそれを束縛、拘束と感じるようになれば、それは苦痛以外の何物でもなくなり、愛情とは言えず、支配になります。その支配というのは、一人で生きていけない子供にとっては、意見も言えずに、抵抗不能にさせるものであり、自尊心を奪い、大人になってから離れて暮らしていても恐怖に感じることもあります。親だから、家族だからと小さな子供を支配しているにもかかわらず、それを愛情というのは、親が子供に依存している状態になります。
親自身が自分の人生を歩んでいない
子供を愛情という名の支配で縛っているのが親子共依存状態と言われています。子供には子供の意志があるにも関わらず、子供の人生に自分の人生を重ね、安全で健全な道を歩むようにと子供を支配します。挨拶の習慣なども、子供のためだと言って強制的にさせたり、人付き合いなどを制限したり、子供のことにあれこれと口を挟みます。子供のためと思ってしていることは実は自分の体裁を保つための行為であり、本当に子供のことを考えているのかというと疑わしいという場合もあります。子供のことを考えているというよりは、自分の理想の思い描く人生を歩んでほしいと子供を縛って支配していることになるのです。
親子共依存の怖さ
親子共依存になっていると、息子・娘が社会人となってもなお判断のできないことに対して、喜びを感じる母親が多いと言います。この子にはやはり私が必要なのだ。と思うことで自分を肯定することができるからです。親からの愛情を感じることができずに、悩んでいる子供達も多い中で、一見親子仲が良さそうでいい感じに見える場合においても、子供の自立を妨げる行為となり、問題となっている行為とも言えます。社会人になったら、自分で判断して物事を決める大切さを学び、自立していくことが親にとっての喜びの一つでありますが、親子共依存状態に陥っていると、自分で決められない息子や娘をさらにいとおしく感じ、自分の存在意義を高めるということで、やっかいな状態であるとも言えます。結婚して、母親の共依存状態から逃れられると思いつつ、近居に住宅を構えてしまうというような矛盾点も起こります。もちろん、自己実現のために、母親に協力してもらっている場合もありますので、一概には言えませんが、基本的には子供主体で行動がなされていることが原則になります。
子供が半強制的に共依存者か依存者にさせられてしまう
子供はお父さんやお母さんを生活上も精神上も必要としています。親なしでは生きられないという時期がどんな子にも必要になります。しかし、「親なしでは生きられない」を逆手に取ると「生きる権利を妨害するとちらつかせれば、いうことを聞く」ということにもなります。子供は選択の余地がないまま、依存者か共依存者として生きなければならなくなります。
親子共依存になっている場合にはどんな特徴があるのでしょうか。親子共依存は一見親子仲は良く見える場合もあります。しかし、異常に母親は口やかましかったり、進路や人生について口をはさんできたりと、子供以上に親に問題がある場合もあります。
自分で自分のことを決められない大学生や社会人
大学のカリキュラムの決定も母親がする、会社を辞めるときも親が出てくるなど、親から巣立つ時期である場合でも親が本人に代わって行動を起こす場合があります。自分では決められない子供を見かねて親が口をはさむのですが、親も自分たちがいないとこの子は駄目なのだと考えて、助け舟を出した気持ちでいます、しかし、それが返って自立を妨げてしまうことになります。親子共依存に陥る場合には、一見親子仲は良いようにも見えます。しかし、子供は親の言いなりになって、自分でもよくわからないままにその選択肢を選んでいるという可能性もあるのです。言われてきた言葉は、こうするのがあなたのためだからといった言葉です。しかし、このあなたのためだからという言葉は、本当にあなたのための言葉なのでしょうか?もちろん、親は子供を心配して何か小言をいっている場合もあるのですが、それは、子供のためというよりも自分がイライラするからとか恥ずかしいと思うからという理由から来ていることが多いのです。
大人になったら、距離を置いて付き合うのも大切
子どもからSOSがあった時に助けてくれるのは親御さんである場合が多いでしょう。しかし、自分の力でなんとか道を切り開いていかなくてはいけないときもあります。親はいつまでもいるものでもありません。そういうことを考えるのであれば、たとえ親がいなくなっても、自分の力で生きていけるような大人に育てることが親の役割ではないでしょうか。しかし、自分の理想を押し付けるために子供を利用してはいないでしょうか。赤ちゃんの時には、子供に対して何でもしてあげるのがお母さんの務めでしたが、子供は大きくなるに従って自分の意志を持ち、自分でこうしたいと思うことも増えてきます。もちろん、それをすべてかなえないといけないというわけではないし、できないことや無理なことはしっかり無理であると伝えることも必要です。しかし、一から十まで口うるさくすべてを管理しようとするのは、子供の自主性を壊してしまうことにもなります。社会道徳に反することや犯罪行為などは叱ることも必要ですが、自分の食べたいものを決めることや着る服を決めること、進みたい将来の職業なども親が決めてしまうというのは、愛情ではなく支配かもしれません。それは、子供のためを思って言っているのではなく、自分がこう思うという親の価値観です。
自分の価値観を子供に押し付けない
子供もだんだん大きくなってくると親の価値観と自分の価値観が違うことに気づくときが来ます。そういうときにも子供を否定するようなことを言うのは、愛情ではなく支配です。何もできない子供を作ることで自分が必要とされていると感じて、親子で共依存状態に陥るというケースは多くあります。本当に子供のことを考えて発言しているでしょうか。その発言は自分の一時の感情から来ているものではありませんか?子供は一つの人格を持った別の存在だという風に考えて、子供の自主性を尊重してみることも必要です。そこで、傷ついたり、考えたりすることもあると思いますが、その過程を経て、人は成長していきます。子供の成長を妨げるのが愛情ではないはずです。子供の力を信じて、子供を見守ることも必要になってきます。
不幸な親を見て、自分が幸せになってはいけないと考える子もいる
また共依存に陥っている場合には、自分の幸せを素直に喜ぶことができずに、幸せを棒に振ろうとする子供もいます。母子家庭や父子家庭などで親一人子一人などで過ごしてきた場合に、親と離れることで自分だけが幸せになってはいけないと感じてしまうことがあります。
親子仲が良いのはいいことなのですが、大きくなってもべったりと一緒にいるという場合には注意が必要です。手をつないでショッピングをしたり、一緒にお風呂に入ったり、大学のオープンスクールについていったり、大学の履修説明会や就職説明会にもついていくといったように、本来であれば自立するべき時期になっても、親が面倒を見ているという場合には、その関係を見直す必要もあるでしょう。
家族仲がいいのはいいこと。しかし、娘や息子に執着していませんか?
親子共依存状態に陥ると母親は自分の人生を犠牲にしても、息子や娘の為に世話を焼こうとします。世話を焼く母親や父親を疎ましいと思う子供もいるかもしれませんが、昔からの関係が出来上がっていると、それを拒否することもできずに、受け入れ、母親がいないとこの先不安だといったような感覚を覚えることもあるでしょう。親子共依存になってしまっていることに、気づく親子というのは少ないともいわれています。共依存の関係は無意識のうちに構築されており、普通に行われているからです。しかし、その弊害は、娘や息子が独立するべき時に出てきます。共依存に陥っている親は、子供から必要とされることで、自分の存在意義を見出します。頼ってくる娘や息子に対して、自分が必要とされていると思い、全力で助けようとします。もちろんそれが悪いことではないのですが、子供の自立心をなくしてしまうという危険性もはらんでいます。
社会人になったら、結婚したら、自分の力で生きていく
社会人になったり、結婚をしたり一人前と言われる環境になったら、辛いことがあった場合にも自分の力でやっていくことも必要になります。しかし、共依存に陥っていると、日常や仕事などあらゆることに母親やあるいは父親が口を出してきて、子供は自分の頭で考えることを止めてしまうことになります。子供の自立を促すのであれば、これはどうかと思うことでもまず本人にさせてみることも必要になるでしょう。いろいろな経験を通して子供達も学んでいき成長していきます。それを見守るのも親の務めです。
子供にお前には無理だと言っていないでしょうか?
子供が何かしようとするときに、お前は考えが甘いとかお前には無理かもしれないなどと言って息子や娘を傷つけていないでしょうか。確かに、難しいことはあるかもしれませんが、チャレンジしようとしている気持ちをそいでしまうのは、子供の自主性をつぶすことにもなりかねません。危ないからと言って遊ばせないのではなく、転ぶことや痛い思いをすることなども経験になる場合があります。もちろん命の危険性があるような場合には止める必要も出てくるでしょう。不安定な社会に子供を放り出すのは心配になることもあるでしょう。しかし、子供には子供の人生もあり考えがある場合もあります。アドバイスをすることはいいですが、無理だと決めつけて阻止することや自分の理想を押し付けるために子供の行動を制限するのは、子供にとっては良くないことです。辛い思いをして自分で考えて、いろいろな人たちと出会い、自分の力で何かを成し遂げることで自分への自信につながっていくこともあります。親は子供に干渉するのではなく、子供の力を信じて、送り出してあげることも必要でしょう。
子ども自身の力で解決させることも大切
子供からのSOSがあった場合には助けたくなることも多いでしょう。しかし、手を差し伸べずに見守ることが必要な場合もあります。本人の力でやっていかないと後々困るのは子供たちです。最初は親の力を借りることがある場合にも結局はその物事を成し遂げるのは自分であるという主体性を持つことが必要になってきます。そのためには、あなたのためだからと言いたいのをぐっとこらえて、子供のすることをじっと見守ることが必要になってきます。いつまでも親元を離れられないことは自立していく上では弊害になります。
親から離れたいと思っているのに離れられない、自立できない子供の世話を焼きすぎてしまうなども親子共依存にかかっているパターンです。できない子ほどかわいいという言葉もありますが、この子は自分がいないと駄目なのだと思ってしまうことで、その人のお世話や援助をすることによって自分の存在価値を高めているという状況になっています。
子供が社会人になっても会社に出向いて意見を言う親
子供が社会人になっても、子供が心配で会社に電話することや、会社に出向く親や就職説明会や入社式にも一緒についていくという親御さんもいます。子供が心配だということは分かるのですが、社会人になるのは大人の第一歩として、子供の主体性にゆだねるということも必要になってきます。また、親御さんの勧める業界に進んだのはいいけれど、自分に合わずに、続けられなかったという場合もあります。親御さんは子供を心配して行動をとるのですが、子供にとってはマイナスに働くことになります。親は良かれと思ってしていることでも、それは親の人生観や価値観であり、子供の価値観とはずれている場合があります。親が無理に勧めたために、子供に合わなくて、その結果子供が働く意欲を失ってしまったという場合もありますので、無視できない問題になっています。
いつまでも親を頼ってしまい自立できない子供
共依存状態に陥っていると、子供は親に何でも依存することが当たり前になっているので、自分の頭で考えて行動することができなくなってしまいます。何をするにも親を気にするようになります。これは結婚した後の娘と母親の関係にも当てはまってきます。いつも干渉してきて煩わしい母親なのに、その母親がいなくなることを考えると不安になってしまい、結婚しても母親のそばに新居を構えるなどの行動をとることもあります。母親がそばにいてあれこれ言って来ることが普通であり、それに従うことが常だったので、その存在がいなくなるというのが怖いと感じてしまうのです。自分の決定に自分で責任が取れないという意味では問題になります。恋人ができたときにもお母さんがこういうから。お母さんが・・・と人のせいにします。母親も自分の意見を聞く娘を支配して、自分の理想に合うような人を見つけるように言います。恋愛などは自由にできるものであるはずなのに、母親の支配から抜けられずに、いる場合です。また、社会での人間関係などにも大きく影響します。自分で決めることができないので、責任感が育成されず何をするのも自分で決められず、相手に従うことになり、結果自分に対しても、ストレスになったり、ノーと言えなかったりする弊害が現れます。
自立できない子供をかわいいと思う親
自分で決められずいつも自分に頼ってくる子供を親はかわいいと思い助け船のつもりで世話を焼きます。しかし、親は子供よりも先に死ぬことがほとんどです。いつもいつまでも、世話を焼き続けることはできません。金銭的な援助をしている親御さんの場合、子供がかわいそうというのは分かるのですが、子供の自活する能力を養うためには、その援助が弊害になっていることもあります。ある一定の年齢になったら自分一人で生活できるような支援をするのも親としては大切なのではないでしょうか。今では社会構造がいびつとなって成人して30歳を過ぎても、自立できない子供さんも多くいます。そのままの関係を続けることは後々自分の老後にも響いてくることになります。子供を一人前の大人にすることも親としては大切な役目として子供に接することが必要になってくるでしょう。子供が離れていくことが不安であると感じるのであれば、一度カウンセリングでその原因などを探ってみるのもいいでしょう。問題がどこにあるのかを自分自身に目を向けてみることで見えてくるものがあるかもしれません。子供は子供、自分は自分、として別人格として考えられるようにしていきましょう。
親子共依存の原因にはどのようなことがあるのでしょうか。親子共依存に陥る場合には、子が共依存者になる場合と依存者になる場合があります。
子供が共依存者になるケース
親が依存問題を抱えていたり、何か親が被害者的になっている場合においては、子供は自分がいないといけない。自分が頑張れば親も幸せになれるのにといった思考回路になります。また、自分が親よりも幸せになってはいけないのではないか・・・。などで悩むこともあります。親がかわいそうになり離れられない状況です。
子供が依存者のケース
いつも親に助けてもらっていたケースでは、自分の力で問題を解決しようとする力がはぐくまれない場合もあります。学校や塾で先生に叱られたときに、それを親に伝えて怒られなくなったというケースなどがあるのかもしれませんが、親に頼ることで上手くいくと考えてしまい、自分の力で解決する能力が養われない場合もあります。親がなんでも先回りして、おぜん立てしてしまいます。親が人生のレールを引いてしまい、子供はその上を走るのみという構図になっています。友人、恋愛、習い事、進学、就職などのあらゆることに干渉し、子供の人生を支配しようとします。子供もそれに慣れていて、その人生を歩もうとするのですが、上手くいかない場合なども出てきます。
親が自分の人生を生きていない
親子共依存関係になってしまう特徴の一つとしては、母親が自分を犠牲にしてまでも子供に尽くしているという構図があります。子供をかわいいと思うあまり、間違った行動に出てしまうのですが、自分ではそれに気づいておらずむしろ、子供の為にやってあげているのだと感じています。この場合には、お母さん自身も自分の人生と子供の人生を重ね合わせてしまい、自分の理想を子供に押し付けている場合があります。こんなことは駄目だ。こんな人は駄目だといったように逐一子供に干渉します。子供はそれが当たり前になっているので、自分で何か決める場面でも決めることができずに、母親に何でも相談する場合などもあります。もちろん、親の干渉を疎ましいと思っている子もいて、その中で家庭に問題が起きる場合もあるのですが、まずは、お母さん自身が子供以外のことにも興味を持ち、外での生活を楽しめるようになるといいのではないでしょうか。夫婦関係の問題や嫁姑関係の問題など直面している問題から目をそらすためかもしれません。しかし、子供は親の道具ではなく、一人の人格を持つ人間であることを忘れないようにしましょう。
親子共依存を認識するためには親の場合には自分は子供のためと言いながら自分の理想を押し付けて支配していないか、子供は親の言うことを聞いている心地よさでそこから抜け出せなくなっていないかを今一度しっかり見つめてみる必要があります。一見仲の良い親子関係ですが、そこに共依存関係が成立していると、外での健全な人間関係を築いていくことなどに影響が出ています。
子供に口を出しすぎる場合には見守り、放任するくらいの気持ちを持つ
完全に放任してしまうよりは良いのではないかと思うかもしれませんが、過干渉の弊害は、放任と同じくらいダメージのあるものです。子供さんからお母さんは少し黙っていて。お母さんはうるさすぎるなどと言われることはないでしょうか。子供のためと思いやっていることは実は子供を駄目にしている可能性があります。子供には子供の考え方もあり、心配で不安な面などもあるかもしれませんが、子供の自主性を大切にしてあげることは子供の自立心を養う上では重要なことになります。夫婦関係の問題や自分の人生観で上手くいかなかったことなどを息子や娘に投影し、支配しようとはしていないでしょうか。自分では気が付いていないところで、子供を支配しようとしている可能性があります。子供の意見をよく聞くことはありますか。その意見に異を唱えるときは自分の都合が優先されていないでしょうか。過干渉である場合には、少し冷たいくらいに放任する感覚でちょうどよいかもしれません。子供が傷つくこともあるかもしれませんが、それも勉強であり経験です。なにからなにまで目の前の石を取り除くのではなく、つまずいてしまうかもしれないけれど、そのつまずきも人生経験の一つとして考えられるように、子供に経験を積んでもらいませんか。
依存症の子供は居心地の良さを感じて恐怖感を感じている場合もある
なんでも世話をして助けてくれる親がいると子供もそれに依存し、安心するところがあります。一時はそれでもいいのかもしれませんが、長い人生において、これからも子供が死ぬまで世話をし続けることができるのでしょうか。社会も変わっていきますし、社会の変化に対応することも必要になります。そういった場合に自分で何かに取り組むことや、自ら行動を起こすということが少ないのは、社会に出てからも大変なことになるのではないでしょうか。自分で何かしなくても、親が何とかしてくれるからという場合には、子供の自主性は育たなくなってしまい、何か問題が起きると、周りが悪いのだと思うようになる可能性もあります。社会に出ると自分の意のままにはできない不条理なこともありますし、悔しい思いをすることもあるかもしれません。そんな中でも強く生きていくには若いうちから挫折を経験したり、失敗をしたりして、打たれ強くなっておくことも必要になってきます。
子供から少し離れて自分の生活を楽しもう
仕事をすることや趣味に時間を使うことでもいいので、子供のことから離れて自分の生活を充実させてみるのはどうでしょうか。母親が子供のことを構わなくなったとたんに、子供の不登校が治ったというケースもあります。いつも子供のことばかりを考えて干渉しているような場合には一歩距離を置いて、子供一人で何かを成し遂げられるように見守ることも必要です。子供は失敗することもあるかもしれませんが、いろんな経験を積んでいくうちに、自分に自信が持てるようになる瞬間も出てきます。親に頼らなくても自分でも頑張れるのだということが分かると毎日の生活も活気あるものになる可能性も高いです。一歩引いて子供を見守るということも大切です。 自分の人生は自分で生きるものであり、子供の人生は子どもが生きるものです。心配は尽きないものですが、手を出さずにどうするのかを見ていることが必要になる時期もあります。
親子間の共依存を克服するにはどうするといいのでしょうか。子が共依存になる場合の多くは、親が過干渉で自分を傷めつけるような育児をしてきた場合に多いです。逆に子供が依存者になる場合は親が過保護で何でもしてあげてきていた場合に多いです。
自分が共依存者だと感じた場合
親から暴言を受けることや、親の機嫌を取ることで生き延びてきた記憶がある場合には、その親から離れて暮らすことを考えましょう。あなたのためと言いながらも、親はあなたを支配し、コントロールしようとしています。親がかわいそう、親よりも幸せになってはいけないと考えてしまうのは、共依存に陥っている可能性があります。自分を捨てるのかと言われることや、何か気に入らないことがあると子供に当たってきた場合には、その子供は自分が他人から必要とされることでのみ自分の存在価値を見出すような性格になってしまう場合があります。どんなことがあっても、自分の人生を自分で決めて、幸せになる権利はあるものです。自分の害になると感じたら、離れて暮らすことも考えるといいでしょう。一定の距離を置き、つかず離れず時には他人行儀で過ごすことも必要になるかもしれません。自分が気に入らないと干渉し文句を言うというのは愛情ではありません。親であることを振りかざして支配しようとしているにすぎません。その支配に屈しないためにも自分のことは自分で決めて自分の世界を築いていく努力をしていきましょう。かわいそうだと思うこともあるかもしれませんが、自分が苦しくなる環境に身を置く必要はありません。
自分が依存者だと感じる場合
親からの過度な手助けによって、自立心が損なわれている場合、それはすごく居心地の良いものかもしれません。しかし、親は自分を犠牲にしてもあなたを助けている可能性もあります。親は自分よりも先になくなります。怖いかもしれませんが、自分一人でやっていく力を身に付けることを目指しましょう。親が煩わしいけれど親がいなくなると怖いといった感覚に襲われるかもしれません。しかし、親の世話がなくても生活していけるくらいの力を身に付けていることも確かです。一人でやりたいことを何か踏み出してみましょう。親が手助けしてくれると言っても、できることは自分でやるようにするといいでしょう。まだ小学校低学年の幼い子供であるのであれば、親に依存して生きているのは普通の感覚かもしれません。しかし、社会人になったり、結婚したりすると自分の力で生活していくことが必要になります。親が共依存者であり、自分の存在価値を高めるためにあなたのお世話をしている可能性もあります。しかし、それでいいのでしょうか。苦しいと思うことはないでしょうか。違和感を感じることはありませんか?親の呪縛から解き放たれて自分の自由に生きたいと思うことはないでしょうか。親がいなくても自分でも立派に生活できるような自信を身に付けませんか?
自分がどちらになっているのかに気づくこと
子供に対してしていることは無意識かもしれません。しかし、子供も一人の人格を持つ存在として尊重する必要が出てきます。子供は所有物ではありません。もちろん、言うことを聞かないことも多いですし、なぜそんなことをするのだと思うときもあるかもしれませんが、子供の言い分もよく聞いて、お互いに納得のいくように話し合うことなども必要です。大きくなってくればなおさら分別も出てきますし、自意識も芽生えてきます。そういったときに自分に従うように支配するのではなく、一個人として尊重して、対等な関係を築くことも必要になってくるでしょう。親離れ子離れをする大切な時期もあります。つい文句を言ってしまう場合には、少し距離を置いて、相手の考えを聞いてみることや相手の意見を理解することを目指しましょう。子供だから分別がないわけではありません。子供も成長しています。
親離れをするきっかけがある
成人し、就職するときや、恋人ができたときなどは親の呪縛から離れて自分の判断で毎日を過ごしていく、いいきっかけになることもあります。親が何といっても自分が良いと思うのであれば、その道を進んでみるのもいいでしょう。人生には正解はありません。自分の悔いのないように人生を歩んでいくのは自分です。親は心配でいろいろ言って来る場合もありますが、自分の生きてきた価値観を子供に押し付けているだけのときもあります。今では様々な生き方をしている人も増えています。自分の信念をもって突き進める道を歩むことは親から独立する一歩になる可能性もあります。金銭的にも親の援助なしでもやっていけるように勉強したり、資格を取ったりするのもいいでしょう。自分が甘えているなと感じたらその行動を改めるように努力してみましょう。親は先になくなることも多いです。そのような後にも自分で一人しっかりと生きていけるように今からトレーニングを行っていきましょう。自分でやったことの責任は自分で取る必要があります。親に依存して親に任せるのはいけません。その心地よさから抜け出すのは怖いかもしれませんが、自分が大人になるためのプロセスでもあります。自分でやってみたいことがあったら、親の反対を押し切ってもやってみることもいいでしょう。
親子共依存とはどのように関わっていくと良いのでしょうか。親子共依存にかかっているときにはどちらかがあるいはどちらもその環境を変えるように努力することでも変わってきます。子供さんを立派に自立させ、自分も楽しく過ごすにはどのように生活していくといいのでしょうか。
不登校の息子に対して自分がいないと駄目なのだと献身的に尽くす母
学校になじめないと不登校になっている息子の為に、母親は毎日食事を作り、献身的に世話をしていました。この子には私がいないと駄目なのだという気持ちになり、息子には過保護になっていると言われることも多いようでした。何をするにも息子がいるために我慢するという姿勢を取っており、自分の人生を楽しんでいないような感じにも見受けられました。こうなってしまったのは私の責任だからと自分を責めて、息子は悪くないとして、息子の現実を見ようとしませんでした。息子も何か外に出たいとか学校に行きたいという様子は見せますが、母親は心配のあまり否定的な言葉をかけてしまいます。そんな場合においては、息子さんのカウンセリングもさることながら、お母さんのカウンセリングも必要になるケースもあります。息子さんが不登校になってから習っていた習い事や友人との付き合いもなくなってしまったということで、息子さんのことをさておいて、自分の時間をきちんと持つようにとのアドバイスを行いました。仕事をすることでもいいですし、母親自身が自分の人生を生きていけるようにすることで、子供さんにそれを見てもらうという意味もあります。子供が不登校になったりするとどうしても心配になってしまいプレッシャーをかけてしまうことも多く、そのことも子供さんには負担になっている場合もあります。辛いことがあったときには休養する時間も必要ですが、心配しすぎてしまうことで弊害が出ることもあります。
子供を自分の意のままに動かそうとしていないかを確認
子供と接するときには、子供のしたい!ということや子供の要求に対して、自分の意見を押し付けてしまっていたり、また逆に子供の言いなりになっていたりしないでしょうか。子供の言いなりになってしまうことも、子供にとっては良くありません。自分だけではコントロールできないこともあると知ることは大切です。また社会常識を話す意味でも、無理なことは無理だときちんと伝える必要が出てきます。教育方針は人それぞれ違うのでどれが正解ということはありませんが、過保護にしていたのであれば、少し放任してみることや、今まで、ひどいことを言っていたのであれば相手のことを認めてあげる発言をするなどの変化がみられるといいでしょう。そんなことしてどうするの?!ではなく、こんなことをしたいんだね。と理解した上で、冷静に自分の意見が言える関係だといいのではないでしょうか。テストが100点ではなく85点だった時も取れなかった15点を責めるのではなく、85点を取ったことは認めつつ、残りの15点もきちんと復習できるように感情的にならずに伝えていきましょう。そこで、なんでこんな点数なんだ!と感情的になることは自分がそのことに対して恥ずかしいとかめんどくさいとか負の感情が起きているからではないでしょうか。子供のためではなく自分の体裁を保つための言葉になっていませんか?子供はそういった感情に気づき、自分に愛情をもっていないことは気づいていきます。もちろん、今まで出来ていたことが急に出来なくなったとふざけている場合などには、なんで出来ないの?!やりなさい!と言いたくなることもあるかもしれませんので、一概にその言葉を使ってはいけないということではないのですが、時と場合を考えて子供に伝えることも必要になってくるでしょう。子供の様子をよく観察し、元気がない時には励ましたり、一緒に何か取り組んでみることもいいでしょう。
20代の女性 母親からの過干渉に悩んでいる
20代の女性は好きな人ができたのですが、母親はそのことを認めてくれず、はしたないとか、そんなことをしている暇があるのかと女性に干渉してきます。母親は事あるごとに娘に対して敵意を見せることが多く、娘はそんな母親に気に入られたいと、努力をしてきました。しかし、母親は娘にひどい言葉を浴びせます。娘は一緒にいるのがつらくなってきて、家を出たいと思い始めましたが、あなたには一人暮らしなどできるわけがないとまた否定的な言葉を投げかけられるようになりました。母親との関係性に悩んだ女性は相談に訪れました。そのような中で、自分の毒になるのであれば、親と離れて暮らすことも大切であることをアドバイスしました。母親はあなたにはできないと暗示をかけることで自分から離れていかないようにつなぎとめようとしているのではないかということを伝え、歪んだ愛情の形から自分の身を守るために女性は一人で生活していく決心をしました。両親と距離を置いて付き合っていくうちに親の干渉も次第に少なくなり、ひどい言葉を浴びせられることはなくなったということです。今までは母親がかわいそうだと思い行動に移せませんでしたが、行動に移して自活することで、自分の平穏を取り戻しました。
10代の男性 過保護な母親に申し訳ない気持ちを持っている
10代の男性は不登校にあり学校を休んでいます。きっかけはいじめではなく何となく学校になじめなかったそうなのですが、母親が責任を感じてしまい、献身的に息子の世話をしています。仕事もしていたのですが、自分が良く見ていなかったからだと自分を責めて、会社をやめたということです。そんなお母さんを見て申し訳なく思いつつも、いつも自分に関わってくる母親にイライラして、当たってしまうということでした。家庭内暴力もひどくなってきたということで見かねた父親など家族で相談に見えました。そんな中で、お母さんには自分を責めないで、子供の問題と自分の問題は別で考えるようにし、できれば、仕事も続けるようにとの話し合いを行いました。そのアドバイスを聞き入れ、仕事を再開した母を見ているうちに、仕事で疲れていても自分に笑顔を向けてくれる母親を見て、自分も頑張らないといけないと思ったのか、家事をしたり、少し出かけてみたりと、少しずつ変化がみられるようになったということです。
30代女性 結婚を機に自立したいが不安だ
30代の女性は母親とも仲が良く、母親も娘のよき理解者であるように考えてきました。しかし、いざ結婚するとなり家を出るとなると、不安でたまりません。母親がいなくなって自分一人でやっていけるのだろうかという不安がよぎります。なんでも母親に相談してきて、結婚する時にもこの結婚相手でよいのかどうかということを母親に相談してきました。一見仲良し親子のようにも見えるのですが、娘は母親に深く依存しており一人で決定することが難しいような雰囲気でした。女性とよく話をしてみると、両親のいない環境は耐えられないので、実家の近くに家を建てて住むということでした。結婚生活も両親ありきで、子育てを一人でするということも考えていないようです。旦那さんには伝えていませんが、少し親への依存心が強いと判断し、カウンセリングを開始しました。幼い頃から両親は娘さんに対して、困ったときにはサポートしたり金銭的な援助を行ったりと、立派な親と言えるような援助をしてきました。しかし、少し過保護な印象も見られ、女性が一人で生活できるか不安になっていることからも、幼い頃からのサポートの弊害が出ているのかもしれません。女性には結婚を機に家とは少し距離を置くことなどを勧めました。家を出た身というのは古い言い方ですが、自分一人で何でもしてみることや、親に頼らずに生活してみるということも勧めました。自分に自信が出てくると、不安感なども消えていきますので、彼女の不安心をなくすような形で持っていけるようにカウンセリングを行っていきました。
Q
親の支配から逃げたい。どうすれば楽になれますか?数多くの習い事などもあなたのためだからと言って習わされてきましたが、どれも自分で面白いと思うものはなく、無理やり習わされている状態です。いじめられて学校に行きたくなかったときも無理やり行くように言われて、行かないと叱られたり、ため息をつかれたりして、親の顔色を窺って暮らしていくのがつらくなってきました。
A
親御さんも良かれと思って言っている場合もありますが、自分がつらい状態にあるということを親に伝えてみるのもいいのではないでしょうか。ただ、習い事や学校などは、行きたくないという気持ちが仮にあった場合でも行くことで、これからも嫌なことがあった時に逃げずに立ち向かえる気持ちになる場合もあります。しかし、問題なのはやらされている感が強く、支配されていると考えているところにあるのではないでしょうか。あなたはどんなことが好きですか?そういうことを親に伝えたり聞いてもらったりすることはあるのでしょうか?自分の得意なこと好きなことなどを続けることもいいのではないでしょうか。何か自信のあることはありますか?興味のあることはあるでしょうか?それをコツコツと続けるのはどうでしょうか。親に何を言われてもこれでやっていけるというものがあるのであれば、それに尽力してみることもいいでしょう。親から言われることがつらいという場合には自分でやりたいことなどを見つけてみるのもいいでしょう。
Q
27歳、独身の女性です。気に入らないことがあると暴言を吐き、暴力をふるう父親とお金のことがあると私に相談してくる母親から逃れたいです。逃れたいと思いつつもいざ離れてみると、自分がいなくなって兄弟は大丈夫だろうか?ペットも生きているだろうか?という気持ちに襲われます。このまま置いていくのはかわいそうだと思わないの??という意見に胸が締め付けられる思いです。
A
ご自身がいることで家族が成り立っているという共依存の関係になっているのでしょう。しかしご自身の幸せの為によく一歩踏み出されたと思います。兄弟の皆さんとは連絡を取るなどして、これからも交流を続けてあげてください。ご両親のことは行政の力を借りた方がいい場合もありますので、ご自身で抱え込もうとせずに、周りの協力を得てください。罪悪感のストレスや不安感のストレスを減らして少しでも平穏に暮らせるように努力されてください。家を出て自活することが親への負担を軽くする場合もあります。あなたが近くにいることで親御さんも甘えて依存することがありますので、心を鬼にしてあなたはあなたの人生を生きていきましょう。
Q
30代既婚です。妻が喧嘩をするといつも母親を頼り、私とは話し合いを持とうともしません。義母から電話があり、娘はこう言っているけれどどうなの?と聞かれることがほとんどです。また言うことがモラハラであるとの意見もあり、何がモラハラなのかもわからなくなっています。私としては妻と話し合いたいだけなのですがそれも無理な状態です。妻と母の関係性も少し疑問を感じます。
A
結婚されてからあなたへの信頼を失うような何か奥様に変化があったのかもしれません。以前は奥様と話し合いを持ち、二人で解決されてきたこともあるのでしょうか。お母様がいつも出てこられるということですが、奥様にひどいことを言ったことや無視したことなどの経験はないのでしょうか?あなたは弁が立つ方で奥様はそうでないかもしれません。出産育児中に奥様のことをよくいたわるような対応を取っていたでしょうか。仕事が忙しいからと放っておいたりしていませんでしたか?そういったことがない場合には少し疑問が残りますが、奥様の中でもう旦那さんには頼らないと思ったきっかけがあった可能性はあります。話し合いをするのであれば、きちんと相手の話を聞き、相手を尊重して話し合いを行う必要があります。