性依存症
性依存症について | 特 徴 | 診断テスト |
弊 害 | 思考パターン | 原 因 |
認める大切さ | 対 策 | 関 わ り 方 |
相談のケース | Q & A |
性依存症について
性(セックス)依存症は「社会的・身体的・経済的な損失があるにもかかわらず、強迫的な性行動が抑えられずに、セックスやマスターベーションをすることがやめられない状態のことを言います。男女ともに陥る可能性があり、女性の場合には、不特定多数の人と性関係をもつことで望まない妊娠や人工妊娠中絶や性感染症になるリスクをはらんでおり、男性よりも自体が深刻な場合もあります。男性においても、風俗通いがやめられない、痴漢や盗撮、強姦などの犯罪につながるケースもみられており、非常に危険な状態になります。
男性の性依存症の場合
男性の場合は、借金をしてまでも、風俗通いがやめられない場合が多く、最近ではSNSを利用して手当たり次第に女性と出会い、合意があると一方的に認識して、強引にセックスをし、事件化する場合があります。またセックスだけに限らず、一日中マスターベーションがやめられずに、会社でも我慢できずに行動してしまったり、大切な約束に遅刻する場合など、やるべきことの優先順位が逆転してしまうような場合にもセックス依存症として病気としての認識がされます。犯罪にまでつながるような重要な依存症であり危険が多い依存症の一つです。
女性の性依存症の場合
セックス依存症の陥ってしまう女性の場合には、家庭内性虐待や性犯罪被害など、過去に陰惨な被害体験をしている場合などがあります。セックス依存症に悩む女性の多くは、過去に実父や義父、親戚の誰かなどから性的虐待を受けた経験やレイプ被害にあったことがある人も多いです。聞いていても苦しくなってくるような虐待をされて育っているために、自己評価が低く自分を大切にできずに、セックス中に相手に抱きしめられることで、自分が必要とされていると錯覚してしまい、セックスそのものにのめり込んでいくという傾向がみられます。
セックスをすることは、自傷行為の一つ
女性の場合、セックス依存症とは、快楽に浸り続けている行為ではなく、自分の体を大切に扱うことが出来ない自傷行為であると言えます。不特定多数の男性とセックスを繰り返すことが不安や葛藤、痛みなどを和らげる鎮痛効果となり、自己治療としての側面もあるために、それらの感情から、自ら風俗店で働いているという場合もあります。性的トラウマが原因で、アルコールやドラックなどにおぼれているという女性も多く、セックス依存症だけでなく他の依存症も抱えながら病気と闘っている人も多いのが性依存の患者さんの特徴です。
性的な行為だけでなく、空想にふけることなども性依存の可能性も・・・
セックス依存症に該当する場合というのは、性行為をするという行為だけでなく、一日当たり2時間以上性的な空想や行動に支配されているような場合には、セックス依存症になっている可能性が高いです。また、不倫などもセックス依存症になっていることが認識できずに、不倫がばれることや離婚という結果になって初めて性依存症が露呈するという場合もあります。性依存症の場合も他の依存症と同様に、その行為によって他の生活活動が阻害されるような重要な事態に陥る場合には病気と認定されます。またストレスや不安を解消するため、イライラや悲しみから抜け出すために、性的行為に走ることも性依存症の特徴です。ストレスなどを避けるように行為を行うことは依存にもつながりやすく大変危険な行為です。
性依存に陥ってしまうのは、渇望する愛を求める現象によるもの
性依存症への欲求というのは愛情の欲求でもあり、幼い頃の両親との親子関係なども関係してきます。幼い頃から愛された経験が少なく、愛を渇望していると、誰かと体を重ね、相手に無理な要求を聞いてもらうことが愛情なのだと勘違いすることもあります。ご両親から厳しくしつけられたことや特に性に関しては潔癖にしつけられたといった場合なども、性依存になる可能性もあります。その他にもご両親に虐待・性的虐待を受けた場合や親の意に沿わないと否定されたり無視されたことがある、無関心な親で見捨てられた感じがするなど親への愛の渇望が性依存という形で現れることがあります。
性依存症 「特徴」
性依存症にはどのような特徴があるのでしょうか。犯罪との兼ね合いもありかなり危険な要素を含んでいるのも性依存性の特徴です。
男性の性依存性の特徴
男性の場合も女性の場合もですが、両者に共通しているのは自己肯定感の低さです。自分に自信がなく、誰かと肌を合わせることや、マスターベーションをしているときに安心や幸せを感じることが多いです。また、愛情に枯渇している場合があり、相手が嫌がっているにも関わらず自分の欲求を抑えられないところがあるので、一歩間違えると犯罪者になる場合もあります。痴漢や盗撮、強姦や未成年に興味を持つこと、下着や靴にこだわる性癖なども一種の性依存の形になります。幼い頃に両親から愛された経験が少ないことやどうやって愛情を表現したらよいのか、その経験が乏しい場合に、性的な快楽でストレスを発散させようと性依存になっていく場合もあります。両親がすごく厳しかったり、性に対して潔癖であったり、逆に、虐待されていたり、無視されていた場合にも、正常な人の愛し方というものが分からないので、自分の性に対する欲望だけで走ってしまい、犯罪者になってしまう場合もあります。普通であれば、相手が嫌がるようなことはしないのが普通なのですが、性依存の場合には性行為をするという目的のみに頭が働いてしまい、人の気持ちを考えることもできません。快楽のままに突っ走っているという風に社会からは見えているかもしれませんが、現実には、相手のことを考えることができないことに自己嫌悪感を抱きながらも、性衝動を抑えられないという人も多いです。結婚していてもすぐに浮気をしてしまう人なども性依存に陥っている可能性もあります。不倫が明るみに出て、実際の生活に悪影響を及ぼすようになることで、性依存症の弊害が表に現れてきます。なぜこんなことをするのかと、納得がいかない場合もあると思いますが、性依存症という一種の病気であることが分かると治療という道を選ぶことで落ち着いてくることもあるでしょう。
女性の性依存症の特徴
女性は男性と比べると性衝動というのは少なめなのですが、女性の場合は、幼少期や思春期に、実父や義父、親戚や性犯罪などで性的な被害を受けた場合に、自分を肯定することができなくなり、自傷行為に走るように性依存症になることがあります。性行為を行うのは、一種の自傷行為でもあり、自分を肯定するために、自分の悲しみやトラウマから逃れるために、性行動に走るという場合もあり、性被害にあった女性が風俗産業で働いているなどという事例も見受けられます。また、何かストレスから逃げるために、寂しさを埋めようと性行為に走るという方もいます。自分ではいけないことだと頭では分かっているのですが、その衝動が抑えきれずに、辛い思いをしている方が多くいます。女性の場合も、両親からの愛情が十分に得られなかったという実感があると性依存になる場合があります。また、仲の良い家族で十分な愛情を受けていた場合であっても、思春期ぐらいにポルノや性的なことに興味を持ってはまってしまうという事例もあります。性依存の治療にはまずは、今のままの自分でいいということを受け入れるところから始め、同じような症状で苦しんでいる仲間を見つけて話をしたりするというのもいいことだと言われています。一朝一夕に症状を変えることはできませんので、自分の中の衝動との戦いになり、マラソンを走っているようなつらさもありますが、自分を受け入れることで、少しずつ良くなっていく事例も見られます。また、旦那さんの転勤などで、環境が変わり自分の味方になってくれる人が少ないと感じるときなどにも、性行動に走る場合などもあります。自分の状態をよく観察して、自分の心の中をよく見てみることが重要になってきます。どんなことにストレスを感じ、自分を肯定できずにいるのかなどときちんと向き合うことで、性依存が収まってくることもあります。
性依存症 「弊害」
性依存症になるとどのような弊害があるのでしょうか。性依存症のトラブルなどをご紹介していきます。
男性の場合
性依存症になると、男性の場合には、不特定多数の異性とのセックスが原因の場合には、家庭が壊れて離婚に至り、会社を首になるというケースもあります。また、異性への衝動が抑えきれずに、会社の同僚とまで関係を持ってしまい、居場所がなくなるというケースもあります。また、セックスができないことで、呼吸が荒くなったり、心臓がバクバクしたりと体調に変化がみられるようになると、何の罪もない女性に自分の性欲を晴らすために関係を迫るような事態にも陥ります。その場合には性犯罪者になってしまい、一生を棒に振ってしまいます。一日中、性的なことを考えてしまい頭から離れない場合やセックスがしたくなるという衝動に駆られるという場合には一度、性依存症を疑って、クリニックでカウンセリングを受けることをお勧めします。自分の欲求をコントロールできるように、努めることで、性行為がなくても、穏やかに毎日過ごせるようになる場合も多いです。自分ではコントロールできないほどの衝動に駆られてしまう場合には、自分の中に原因がありますので、その原因を突き止めて改善していく必要があります。大切な家庭や仕事を失う前に、自分の性的欲求に負けて性犯罪者になってしまわないためにも、カウンセリングを受け、自助グループなどに参加して、自分の状態をよく確かめて、自分が渇望しているものは何なのか、どんなことを気にしているのかなど、その原因を突き止めていくこともいいでしょう。自分よりも弱いものに興味がわいたりするのは自分に自信がないからだとも言えます。まだ未成熟な相手であればその純粋さを利用して自分の意のままにできるのでないかというような思いがあるのかもしれません。その欲望に負けないで、自分の自信を取り戻すために、自分ときちんと向き合いましょう。もしかしたら幼少期の体験などから愛情が受けられなかったことなどが影響しているのかもしれません。そういった自分の過去なども受け入れつつ、穏やかな毎日が送れるように努力していきましょう。
女性の場合
女性の場合は、セックスは快楽というよりも自傷行為である場合が多いです。望まないセックスにより妊娠してしまったり、性病になってしまうなどの危険性もあり、男性の場合より深刻な場合も多いです。性依存性の男性の被害者となってしまい、自分も性依存性になってしまったという場合もあるでしょう。しかし、そんな自分を否定して痛めつけるのではなく、自分は自分でいいのだということを認識しましょう。カウンセリングに行って自分の辛い経験を聞いてもらうのもいいかもしれません。また、女性の場合には自分のことを理解し愛してくれる男性が見つかったときには、性依存が収まっていく傾向もみられています。男性が怖いと思いつつも、衝動的に行為に走ってしまうのかもしれません。しかし、それでは自分が傷つくばかりです。自分を傷つけないためにも自分が望んでいるものは何なのかをしっかり自分で分析していきましょう。辛い時には一人で悩む必要はありません。自助グループなどに参加して同じような悩みを抱えている人たちと知り合って、味方になってくれる人を増やすというのもいいでしょう。性被害にあったのに、母親は助けてくれなかったなどの心の傷を持っている場合もあるかもしれません。しかし、自分で自分を傷つけるのは止めましょう。普通に生きているだけでも十分に価値のある人間であることには変わりありません。自分の辛い胸の内をカウンセラーに聞いてもらって、自分の心と向き合っていきましょう。まずは、自分を認めるところから始めましょう。性行為をしなくても穏やかな幸せがあるということを学習できるように、自分の心を癒していきましょう。心をいやすのはセックスではありません。
性依存症 「思考パターン」
性依存症になると異性を性の対象としか考えられなくなることがあります。また、自分が過去受けてきた教育や虐待などからも偏った考え方をしてしまう場合もあります。
男性の場合
性依存性の男性の場合は、女性を一人の人間として尊重してみることができなくなっています。愛しているという言葉も優しい態度もすべては、その女性とセックスをするための手段であり、嘘です。また、不特定多数の異性とも性交渉を持ちやすく、一度に多くの女性と付き合うといったこともします。また、その相手は、会社の同僚であったり、SNSで知り合って間もない相手であったり、よく知らない相手でも、性的な行為ができればいいという考え方で行動に出てしまいます。会社の同僚だったりすると、後々家族や会社にばれて職を追われることになったり、家庭が壊れることになったりするのですが、その危険性を感じながらも自分の性行為に対する衝動がコントロールできません。不倫や不特定多数との交際がばれるともうしないと謝ることはありますが、性行為に対して自分をコントロールできない状態ですので、同じようなことをまた繰り返します。また、性行為を女性が嫌がっている場合にも、それを受け入れてもらうことに愛情を感じるといった偏った考え方を持っている場合もあり、事件に発展する場合もあります。また、自分に自信がないばかりに、自分よりも未熟であろう未成年であればと興味を抱き、性犯罪の被害者を作ってしまう危険性もはらんでいます。被害者の救済も叫ばれますが、そのような男性は性依存症という依存症である場合があるので、再犯を防止するためにもカウンセリングなどの治療が必要になります。
女性の場合
性依存性の女性の場合には、自分に自信がなく、誰かと肌を重ねることで愛されていると感じる場合もありますし、自分が嫌いで自傷行為として不特定多数と関係性を持ってしまうという行動に出ることもあります。もちろん、愛情たっぷりに育った場合でも、ポルノや性行為に興味を持つ場合もありますが、社会生活にまで被害が及ぶようになると問題です。また、女性は妊娠などの問題もあるために、あまりに奔放な性行動などは危険がはらんでいます。未成年買春で妊娠してしまい出産までしたというケースもあり、性依存性の深刻さが出ています。女性の場合には、性依存性の男性の被害者になっている女性も多く、心のケアも必要になってきます。また、人間関係のトラブルや家庭不和などから外にパートナーを求めることもあります。自分でも何かおかしいなと感じるところがあれば、一度カウンセリングに行ったり、そのような行動に出る原因を探ってみたりして、治療を受けるといいでしょう。性依存に陥って、さらにアルコールや薬物などの依存症を併発しているケースもあり事態は深刻です。自分を傷めつけるのではなく自分をいたわれるように自分の考えを変えていきましょう。もし性犯罪の被害者になってしまった場合には、そんなあなたを理解し助けてくれる男性もいることを忘れないでください。あなたが悪いのではありません。自分をいじめないで、自分を受け入れられるように、自分の苦しい気持ちはカウンセラーなどに話してみませんか?辛い時には自分と同じように苦しんでいる人たちと励まし合うのもいいでしょう。一人で苦しんでいるのではないことが分かると少し気持ちが楽になります。セックスで解決するのではなく、その問題に立ち向かう強さも必要になるかもしれません。辛いことも多いと思いますが、自分を否定するのではなく、自分をいたわってそんな自分も自分なのだということを理解できるといいでしょう。誰か一人の人に愛し愛されるようになることでも変わっていくのが女性の性依存性の方には多いです。パートナーに不満があるのであれば、話し合いの機会を持つなど、不特定多数の人とのセックスで紛らわせるのではなく、信頼関係を築いていけるように話し合ってみませんか?
性依存症 「原因」
性依存症になる原因にはどんなことがあるのでしょうか。原因の一つとして言われているのは親子間の関係による愛着障害などの問題があると言われています。
男女ともに自分への自信のなさが原因の場合が大きい
性依存症になる男女ともに見られる傾向としては、自己肯定感の低さがあります。男性の場合であれば、自分よりも弱いものに興味の対象が移ることや、嫌がる相手を征服することで満足感を得るなどの歪んだ感情を愛情だと錯覚してしまう場合です。
男性の場合
厳格な両親に育てられてきた、性に対してものすごく厳格で、また学校の成績なども良くなければ怒られたなど幼い頃に褒められた経験が少なく、けなされることが多かった、また、育児放棄気味で親からの庇護を全く受けられなかったといった場合、正常な愛情というものがどんなものかわからないために、性依存症に陥ってしまう場合があります。自分に自信のない男性は、性行為を行うことで安心感や幸福感を得ますが、段々その思いがエスカレートしてきて、嫌がっている相手がそれでも自分を受け入れてくれることを愛情だと勘違いしたり、嫌がっているのが分かっているのにその行為を止められず自己嫌悪に陥るなどの行動に出ます。これも、自分が今までにどのように親や周りから接してもらってきたのかにも大きく影響しており、そういった男性は、親から力や言葉でねじ伏せられるように育てられてきて、それが親の愛情だという風に心に叩き込まれているのかもしれません。親から十分な愛情を受け、はぐくまれてきた場合には、嫌がる相手がどのように感じるか、など小さいころから親や幼稚園の先生などから教わっている部分もあるのですが、そういったことをうまく学べないまま大人になってしまい、自分のストレスや不安を晴らす手段としてしか女性を見られていないという側面があります。そのような両親を見てきたからかもしれませんし、自分が両親のストレス発散のはけ口になっていた可能性もあります。いずれにしろ、親子関係というものも大きく影響してきており、幼少期に十分な愛情が与えられなかったことで、その愛情を渇望して、衝動的な性行動に行きついてしまっている場合もあります。しかし親を責めることもできません。親も同様に愛情の渇望感の中で生きてきたのかもしれませんし、様々なストレスもあったのかもしれません。今変えていけることは、自分の人生を穏やかにより良いものにしていくことです。性行為で一時的な衝動を紛らわしても根本的な解決にはならないでしょう。
女性の場合
女性の場合には、性依存症に陥る原因には自分の中の自信のなさもありますが、幼少期などの性犯罪などが絡んでいる場合もあります。近しい人や男性からの性犯罪で傷つき、どうして私がと悩むあまり、自傷行為に走ってしまうことが性依存につながっていきます。性行為をしているときは一時的に自分の苦しさを忘れられると思うのですが、やはり苦しくなってしまい、毎日苦しんでいる場合が多いでしょう。また、愛情を求めて、セックスをするという場合もあり、セックスをすることが愛情を確かめる行為だと考えている場合もあります。確かに愛情を確かめるためのセックスもありますが、人と信頼関係を構築し、愛情をもって接するといいうことはセックス抜きでもできることです。自分がつらいのであれば、その気持ちを誰か信頼できる人に聞いてもらって消化していくのもいいでしょう。旦那さんや恋人などがいるのであれば、その人たちに話すのもいいかもしれません。自分を傷つけるようなセックスはあまり自分にとっても良くありません。不安な気持ちや虚無感などは誰かに話して聞いてもらうこともできます。また、セックス抜きでも人と信頼関係が構築できるようにトレーニングを行うこともいいでしょう。自分を責めないで、今の自分を認めてあげましょう。辛い時にはカウンセラーや周りの人に辛いことを話して、セックス抜きで話をしましょう。
性依存症 「認める大切さ」
自分が性依存症であることは恥ずかしいことだと考えるかもしれません。しかし、その恥ずかしいと隠してしまう行為が治療を遠ざけてしまいます。性依存症であることを自覚して、治療を受けてみませんか?
罪悪感からくる行動は問題あり
性依存症などの性にまつわる問題は恥ずかしいと感じることも普通にあるでしょう。しかし、性依存症を克服したいと考えるのであれば、性依存症についてきちんと考えて、自分の心の奥底にある渇望などを自己分析していくことが必要になります。渇望の原因は親子関係にあるのかもしれませんし、仕事のストレスにあるのかもしれません。性依存症になる原因について自分としっかりと向き合うことが性依存症から回復する第一歩になります。不安などのマイナスの感情を払しょくするためにセックスを行うというのはあまり良い行為ではありません。またセックスの後に自己嫌悪に陥る場合なども要注意です。性依存症であることを自覚した場合には、性交渉がなくても穏やかで健康的な幸せな生活が送れることを理解し、安定した生活を送ることが必要になってきます。
性依存には犯罪要素のあるものと合法的なものがある
性依存には、接触型という犯罪につながるものと、合法的ではあるが自分を傷つける行為であり、治療を要するものがあります。性行為を強要することや未成年者に興味を持つこと、盗撮や痴漢などは被害の相手がいる行為であり犯罪です。しかし、犯罪だからと言って放置するわけにもいかず、そういった行為を繰り返すのは病気であると言えるので、きちんとした治療を行う必要が出てきます。何か抑圧された精神状態になったり、幼い頃の愛情の渇望があったりすると性への依存が高まることもあり、性依存の他にも摂食障害やアルコール依存症、薬物依存症などの弊害を併発している場合も多いです。まずは、性依存は病気であるという認識を持ち、犯罪者であってもきちんとした治療を受けることで改善していくケースもあります。自分の症状を医師に話したところ、性犯罪者として捕まる可能性が非常に高いと診断され、治療を受けることを決めた方もいます。治療は長いマラソンを伴走するように、どんな行動も受け入れるという感じで行われていきます。自助グループなども存在し、同じような症状で悩む患者さんが集まって、気持ちを話し合う場もあります。性犯罪者にならないためにも、性依存の治療をしっかりと行うことが必要になってきます。
性的な衝動が抑えられなくても、その行動を認め自分を認める
女性の場合、自傷的な性的な行動を起こしてしまっても、医師やカウンセラーはそれをとがめるのではなく、その点も受け入れたうえでアドバイスを行っていきます。何か叱責したり、強要したりすることはありません。本人も辛い治療になることもありますが、性行為をしなくても、幸せになれるという自覚がわいてくれば穏やかな日常を過ごすことも可能になります。性行為は悪いことではないのですが、度が過ぎて社会生活にまで支障が出るようになると問題です。たくさんの人を傷つけることにもなりますし、自分も傷つきます。
男性は女性に対する認知のゆがみがある
男性依存者の場合には、怖くてフリーズしている女性に対しても合意の上であったと考えることや、女性は男性の性的欲求を受け入れなくてはいけないといったような歪んだ認知を持っています。治療に当たってはまずその認知のゆがみを治療していく必要があります。性犯罪者になってしまう男性にはこのタイプの人も多いです。性依存症という病気なのだという認識を持ち、再犯を繰り返さないように回復プログラムを組むことも大切な方法でしょう。性依存症は被害者が出る可能性もある依存症であるために、その対処方法もしっかりと地道に取り組んでいく必要があります。男性の場合は会社を首になったり、家族を失う危険性もありますので、性依存症が疑われる場合には、早急に治療を行うことをお勧めします。
性依存症 「克服への対策」
性依存とはどのように関わっていき、克服していくといいのでしょうか。性依存症者とアルコール依存者の原因や心の状態は似ているので、性依存症治療のパイオニアであるアメリカでは、アルコール依存症を回復するためにプログラムを応用したものが、性依存症治療でも使われています。
性依存症を改善するための考え方
性依存症に対して自分は無力であることを認めて、性依存の引き金を引かないように最善の工夫をしてすごすことを決める。
自分の生き方は自分の選択で変えていけることを意識する
健康的な心に戻れる日が来ると信じる
人生を整理し、書き出して、自分のことを良く知り、一人では生きてこられなかったことや思いやってくれる人がいる事、また思いやってくれた人がいたことなどに気づく
自分の過ちや無力さを認めて、改善に向かって周囲に助けを求めることで、性依存症改善のために手伝ってくれる人がいることを知り、手伝ってもらえるような環境に身を置く。カウンセリングを行ったり、周囲に自分の状況を把握してくれる人にお願いして、克服を邪魔する人や物を避ける
自分の過ちを認める
何があっても、短所に対して工夫していく努力を継続する
深く傷つけたと思う人たちを書き出して、謝罪や感謝の気持ちをもって、性依存症を克服することでお返ししようとすること
自分と自分と出会った人たちの幸せを祈る。
人生を客観的に見ることを続けて、間違いを見つけたらすぐに認め、改善の努力をする。
心安らかな日が増えて、以上の項目が心から望んで実行できるようになったら、自分の形をどんな形でもいいのでシェアして、自分の起こったことを無駄にしないで、すべての人の中に依存症や依存症に似た苦しみがあることを知り、一歩一歩逃げずに解決しながら生活していることを受け入れる。
以上ように性依存症を克服していくためには自分の考え方を改めて、依存症に戻らないために一歩一歩努力し続けることが必要になります。もし、後戻りしてしまっても、そこで落胆するのではなく、また一日一日を性行為を断っても平穏でいられるように努力していくといいでしょう。性依存症を一人で治すのは困難です。誰か助けてくれる人の力を借りて自分の人生は自分で決めていくのだという意思をもって毎日過ごしていきましょう。
性依存症においては自分の行動をすべて話せる相手が必要
性依存症の方においては自分の心の中や行動について洗いざらい打ち明けることができて、心の整理を手伝ってくれる相手が必要です。懺悔の内容を責めるのではなく、前向きにサポートしてくれる余裕のある人がいいでしょう。カウンセラーや医師、自助グループの仲間やそれらの環境に行く勇気がないのであれば、ネット上でもいいので、話を聞いてくれる人を見つけましょう、自分のすべてを洗いざらい話して、根気よく週に1回、二週に1回でも、心の整理に付き合ってくれる人が必要になります。はじめは、自分が性依存に陥る現在までに人生でしてきた、品位を落とすか、私利のために相手を利用する行為と生活を豊かに高める行為の二つを洗いざらい書き出して、誰かに聞いてもらうといいでしょう。人生の整理が終わったら、できれば毎日日記をつけて、品位を下げる行為と生活を豊かに高める行為を書き出して、定期的に聞いてもらいましょう。サポートしてくれる人に負担がないように気を付けましょう。定期的にチェックを行うことは今苦しんでいる場合には辛いことかもしれませんが、感謝と思いやりの心をもち関係性を作っていくことも、性依存症克服のためには必要なトレーニングになります。はじめからは上手くいかないかもしれませんが、少しずつ、積み重ねていくことでより良い毎日を送れることになります。胸の内を誰かに聞いてもらって、サポートしてもらいましょう。一度持ってしまった性依存のスイッチは、なくならないので一生そのスイッチを押さないつもりで取り組んでいきましょう。
性依存症 「関わり方」
性依存症とはどのように関わっていくといいのでしょうか。性依存症の相手とのかかわり方はどのようなものがあるのでしょうか。
相手の懺悔や発言に対して批判したりしないこと
「自分は情けない人間だ」とか「自分には価値がない」という気持ちなどを助長されるような指摘を受け続けるとかえって自暴自棄に至らせてしまう可能性もあります。その結果、家族が身の危険を感じて、仕方なく警察に通報するということにもなります。しかし、本人にとってはそれが「依存」から抜け出すきっかけになることもあります。性依存を放っておくことで、家族や本人が壊れてしまうこともありますので、どこかではっきりを決意して、事態を深刻化させないように対応していくことが必要になってきます。すでに何らかの症状が出ている場合にはそれがSOSのサインになります。そのメッセージに気づいたのであれば、まずは専門機関に相談してみましょう。一人で悩まないで、自分の胸の内を洗いざらい話して、心の整理を行いましょう。カウンセラーはあなたの話を遮ったり、叱責したりということはしません。自分の中で、汚い・私利私欲にまみれていると思う部分と、これは生活を高めるために良い行為だという部分をきちんと考えて整理できるといいでしょう。
自分の心の中を吐き出すことで、考えがまとまってくることもあります。辛い時には誰かに話を聞いてもらって、自分の心を整理することもいいでしょう。そんなときにも相手のことも思いやってください。
性依存症の治療を恥ずかしいと思わないこと
性に関することは恥ずかしいという印象を家族も本人も持っているかもしれません。しかし性依存は被害者を生む可能性もある深刻な依存症です。自分以外の人も傷つく可能性もあります。性依存に限らず依存症になる人の多くは家族が機能不全であった、家族関係が崩壊しているような家庭に育っていたといった相関関係もあります。そういった幼少期のトラウマなどもあり、性依存症にかかる人もいます。そんな相手の話を遮らず、聞いてあげることも必要になってきます。もちろん、家族が円満であった場合でも興味から性交渉にのめり込み、性依存になるケースもあります。いずれにせよ、回復するためのプログラムによって依存症を克服することで、いつも通りの穏やかな毎日が送れることになるでしょう。いい人であろうとするためにストレスから性依存に陥る場合もあります。性行為を行うことで一時の苦しみを忘れられるからだと言いますが、それも痛みを伴うものです。大切なものを失ってからでは遅いのです。
依存行為は、愛情への渇望の裏返しである
幼い頃に両親が多忙で、親が子供とのかかわりやコミュニケーションを十分に取れなかったことなども、依存症を理解するうえで重要なキーポイントになってきます。このような環境で育つと、本来であれば親から十分に受ける愛情を受けることができずに、愛情への欲求を抑え込んでいることや、頼るべき親に頼れないために自分一人の力で生きていかなくてはいけないこともあります。このように本来の「子供らしさ」を表現できなかった人は、大きくなってから自意識を持ち始めるときに自分をうまく表現できずに、依存物質や依存対象に依存を繰り返すことで快感を得て、依存行為を繰り返すようになるケースが多いです。もちろんそれのみが原因ということではないのですが、このような親子関係や生育環境の問題なども依存症とは大きくかかわってきています。したがって、自分をうまく表現するためのカウンセリングなど行って今の自分の状況を客観視し、毎日毎日を依存対象がなくても心穏やかに過ごせるように自分の心と向き合っていくことも必要になります。不安や寂しさなどのネガティブな感情を依存物質や対象によって忘れるのではなく、そういった自分も自分であることを認めていくことが必要になります。
性依存症 「相談のケース」
40代の男性
電車での痴漢行為で逮捕歴のある男性は、もうやめようと思うけれど、電車に乗るとスイッチが入ってしまい、毎日同じ電車の同じ車両に乗り込み、同じ女性がいつもいたので、その女性に対して行為を行っていました。そして再び痴漢で捕まり、働いていた会社も首になりましたが、痴漢をしていた女性も嫌がらなかったしむしろ喜んでいたに違いないという認識を持っており、治療に取り組んでいるという例があります。男性の性依存の場合には、怖くて動けない女性に対しても、許容して合意しているという意識のゆがみがあり、その部分を改善していく必要があります。女性に対する歪んだ認知というのも男性の性依存の特徴で、犯罪行為につながる行為であるために、早急な治療が求められます。犯罪者ということで排除するのではなく、治療を行うことで、改善に向かう依存症でもあります。
20代女性
長年義父からの性的虐待を受けていた女性は、不特定多数の男性と関係を持つことで、精神を保つ性依存症に陥っています。朝から、彼氏や午後からも別の男性といったように、尋常ではない性行為の回数で、多くの男性と関係を持ちたいと思っています。自分でも自分をコントロールできないために、カウンセリングに訪れましたが、だれとでもいいので行為を行いたいという欲望が我慢できずにいます。行為を行っていないと虚脱感や不安感に苛まれて正常な精神状態が保てないということでした。どうしてそのように感じてしまうのかを吐き出してもらうことで気持ちの整理をし、行為をしなくても、不安感や虚無感を感じずに済むようにプログラムに取り組んでいくことで、性依存症の解消を目指しています。目立った進展はまだ見せていませんが、本人が自分の状況と向き合い、自分をコントロールしたいと思っているということで回りもサポートしている段階です。衝動を抑えきれずに、行動に移してしまうこともありますが、自分の辛い気持ちを吐き出すトレーニングをし、少しずつ気持ちをコントロールできるようにしていっています。辛い時には同じような悩みを持つ人と話をすることなども行っています。
30代男性
性的な欲求を抑えられずに、仕事も手につかない状態で、医師からは今後、性犯罪で逮捕される可能性が非常に高いと言われていました。それまでも、犯罪には至っていませんが、出会う女性と関係を持ち、また、女性が嫌がる場面でも受け入れてもらえることに愛情と快楽を感じて行為を繰り返していました。次第に仕事や金銭的にもルーズになっていき、女性とも破綻するに至ります。自己肯定感が低く、自分は価値のない人間だと感じてしまうことも多い男性は、性行為をすることで生きる意味を見つけているということでした。今は、一切の性行為を断ち、性行為をしなくても毎日を穏やかに過ごすことができることを治療により身に付けて、性依存に戻らないように努力している日々です。仕事や趣味などに取り組んで、日々を豊かなものにできるように努力を続けています。今では性行為をしなくても、大丈夫な日々が続いています。
40代女性
幼い頃に性被害にあった女性は、それ以来自分の体を触らないではいられないという性依存に陥りました。自分を責める日が続き辛い日々を過ごしていましたが、ある時自分のそういった依存行為なども理解してくれる男性と出会い、その人との交流を続けていくうちに、段々と性依存行為が収まってきました。自分の辛い気持ちなども理解してくれる人が現れたことで、気持ちの整理をすることができるようになり、性依存から脱却していくことになりました。今では自分の経験などを同じように悩んでいる人のために発信し、性依存の回復に役立てられるようにと活動しています。辛い時には自分の悩みなどを人に話して心を整理するようにし、一人で悩んで性依存に戻ってしまうことがないように注意しています。
性依存症 「Q&A」
Q
性的なことが頭から離れずに辛い日々を過ごしています。どうすればいいでしょうか?
A
自分の意志とは無関係に性的なことを四六時中考えてしまいそのことで他のことが手につかなくなってしまうなどの症状は性依存の症状に当てはまりますので、恥ずかしいかもしれませんが、その気持ちなどをカウンセラーや専門医などに相談してみましょう。自分の気持ちを吐き出して整理することで、性依存症を回復していくことは可能です。そのように考えてしまう原因には愛情の欠落や、自分ではどうしようもないこともあります。自分でのコントロールが難しいと感じたら、誰かの助けを借りて、毎日を日々過ごしていくことも必要になります。 一度自分の状態を相談してみて、性依存症とうまく付き合っていけるように努めてみましょう。
Q
夫が浮気を繰り返しています。性依存症なのではないかと思うのですが・・・?幼い頃に実母から虐待を受けていたという夫は、愛情が受けられずに育ったために、性行為が我慢できずにいるようです。日ごろは仲がいいのですが、浮気のことだけがどうしても気になってしまい、離婚も考えるほどです。しかし、これからも夫とは仲良くやっていきたいと思っています。
A
性行為がどうしてもやめられないというのであれば、性依存症の可能性も考えられます。ご家族で心配であれば
一緒にカウンセリングを行うなどの治療方法を試みるのもいいでしょう。旦那さんのお話をしっかりと聞いてあげられる余裕があるのであれば、話を聞くこともいいでしょう。基本的に、性依存症の男性の場合には、女性に関する認識のゆがみなどがあるのですが、そういった点はないのでしょうか。なにかストレスや嫌なことから気を紛らわすために浮気に走ってしまうということであれば、カウンセリングを行って、治療を進めていく上で、性依存行為が収まってくる可能性はあります。奥様が旦那様を許せるかという問題も出てきますが、旦那様を見捨てずに、病気であると認知して治療を行っていくのであれば、ぜひ支えてあげてほしいとは思いますが、あまり無理はなさらないでください。自分も辛い思いをしてまで、共依存になっていくのは良くありませんので、自分の状態も良く見据えた上で、対応していきましょう。
Q
自分のことが好きになれず、性行為をすることで幸福感を得ています。それと同時に複数の男性と関係を持つのは、いけないことだと感じていますが、性行為をしていないと抗うつ感や不幸だと感じることが多く、性行為に依存しています。相手は誰でもいいと思ってしまい、性行為を行うことで、気分がすっきりするという感じです。自分でもコントロールできずに、苦しい日々が続いています。改善できますか?
A
自分の心の奥にある傷やトラウマなどを忘れようと性依存症に陥ってしまうケースは多くあります。まずは、性依存の前には自分は無力であることを知り、その上でも性依存におぼれないように、誰か信頼できる人に話を聞いてもらったり、ストレスを発散したりして、性依存から脱却できるように努力していきましょう。性行為を行わなくても、心の平穏が保てるように、カウンセリングを受けることや、誰かに心の内を聞いてもらうだけでもかなり気持ちが変わります。話しにくい場合にはネット上でもいいので、自分の気持ちを発散させられる場所を見つけて、行為に及ばなくてもいいように努力してみましょう。性行為は一種の自傷行為でもありますので、自分をいたわるように自分の気持ちをしっかり自分で受け止めましょう。誰かを責めたりするのではなく、自分の未来は自分で切り開くくらいの気持ちで、毎日を過ごしてきましょう。辛い時には誰かに話して、気分を落ち着けましょう。自助グループなどに参加すると、同じような悩みを持った仲間に出会うことも可能になります。辛い気持ちを話し合って、自分だけではないことを知り、励まし合っていけるといいのではないでしょうか。